フェンダー系ギター用牛骨オイルナットの作り方 無漂白サドルを利用

ギターリペア&メンテナンス

 

追記:2026/7 

 

今までのギターリペアや製作を通じていろいろと考慮した結果「牛骨オイルナットは使用しない」事に僕は決めました。

 

理由↓

1.オイルを染み込ませた事による利点(弦滑りが良い、外観の艶感)よりも懸念点の方を重視する様になった為。ここで言う懸念点はあくまで主観です。

例えば染み込ませたオイルが経年変化で接着部を弱まらせ外れ易くなる可能性や、オイルが経年で染み出てナット周りの塗装へ悪影響を与えないか?などです(あくまで懸念の話です。かならずしも起きる症状という訳ではありません)。※もちろん接着時にナット外周(接着面や塗装が乗る面など)は軽く脱脂する事は前提での話です。

 

2.オイルが均一に染み込んだナットは単純に美しい仕上がりが期待できます。ですが美しい仕上がりの為に上記1の懸念点を無視できません。それならばコストは掛かりますが素材を多めに用意しその中から良い状態(油分、色味、密度)の無漂白ナットを選定し使用する事に決めました(良い状態の無漂白ナットは同様に美しい仕上がりになります)。

 

3.弦滑りの利点は正直懐疑的になりつつあります。なぜなら元々油分が残っている無漂白ナットに各メーカーが販売している「ナット溝用グリス」との併用が弦滑り具合のバランスも良く上記懸念点も回避できるという考えに至ったからです。

ちなみに僕が使用しているナット溝用グリスは下記を参考に↓

上記を踏まえた上で下記の記事(以前の僕の考え)をお読み下さい。そして結論は各々で導きだすのが良いかと思います↓

 

まずはコチラを用意

 

SCUD  NTB-32

サウンドハウスの価格はコチラ

 

こちらはアコギ用のサドルですが厚みが3.3mmなのでフェンダー系のギターのナットに使用できます。(取り付けるギターによって厚みの微調整と底面のアール加工は必要です)

こちらの牛骨は無漂白なので最初からある程度の油分が残っておりこの状態でも通常の漂白ナットよりも弦の滑りが多少良いのでおすすめ。

欠点としては漂白していないがゆえ個体差により色ムラが多く見た目がよくない物があります(下記画像の物は色ムラがかなり少ない個体です)。

幅は105mmあるので半分にカットすれば無漂白のナットが2本分取れるのでお得です。

追記:現在は上記製品の値上げなどもあり下記サイトから同様の牛骨を仕入れています。海外からの購入に抵抗が無い方にはおすすめです(無漂白サドルが2個入りで品質もそれなりに良く、フェンダー系ナットなら4個作れます)↓

Bone Saddle Blanks Unbleached Vintage Bone - 4.25" x .5" x .16" - 2 pack - Philadelphia Luthier Tools & Supplies, LLC
Vintage bone saddles with a yellowish cream color.

 

弦の滑りをさらに良くする為にはオイルを浸透させるのが有効です。

「無漂白ナット+オイル浸透」がポイントです。

 

 

オイルの浸透には真空容器をおすすめします。

 

しっかりとナットにオイルを浸透させる為には普通の容器ではなく「真空にできる容器」を使用します。

ちなみに真空容器による浸透でも無漂白、漂白済み牛骨問わず染み込ませ時の色ムラはある程度はあると思っていた方が良いかと思います(牛骨密度の個体差やオイルとの相性によってよく染み込む箇所と染み込みが弱い箇所などがある為)。

 

下記画像で僕が使用している容器は金属製です(廃盤)。プラスチック製でも短時間なら使用できなくもないかと思いますが、「耐油」製品なのかどうかはよく確認してから真空容器をお選び下さい。

※非耐油真空容器でも例えば小さめのガラス製容器などを真空容器内に設置すれば使用できない事もないです(中に設置する容器は蓋が無い物)。

真空容器が用意できたらオイルを容器の中に流し込みそこへ無漂白牛骨ナットを入れます。

その後は蓋をして容器内をポンプで真空状態にします。しばらく時間を置いてから常圧に戻し容器内でナットを放置しオイルが染み込むのを待ちます。

牛骨の個体差により染み込み量に限界はあると思いますが何回か真空→常圧→放置を繰り返し試してみるのも良いかと思います。

※追記:現在では上記画像のような色のついたオイルは使用しておりません。ちなみに当時は機械系オイルを使用していたかと思います。

 

使用するオイルはミネラルオイルなどを推奨

 

レモンオイルなどに漬けてオイル牛骨ナットを製作した事がある方もいるかとは思いますが個人的には仕上がりの色がいまいち好みではないです。

使用するレモンオイルのメーカーにもよりますが浸透した後の仕上がりが不自然に黄色くてなんだか嘘っぽい質感になりがちだからです。

一方ミネラルオイルは基本的には無色透明なので染み色の不自然さはレモンオイルほどはありません。オイルの粘度に関してはなるべく低い物(サラサラのタイプ)を選んだ方が染み込みやすいかと思います。

ミネラルオイル一択という訳ではありませんので各自で色味や染み込み具合のバランスを考え色々試してみのが良いでしょう。

ばんば

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