テレキャスター自作(1)ギターの作り方を解説 まずはボディ製作から

テレキャスター自作1

 

まずはネックポケットの加工

 

本日からテレキャスターの製作を始めたいと思います。

まずはボディから製作を始めます。ボディはアイモク(アイチ木材)さんから購入したアルダー(2A)です。

下の画像のようにまずはセンターラインを引きます。こちらのボディ材はセンター2ピースなので木材の繋ぎ目をセンターラインにします。

 

次に製作しておいたボディ用テンプレートをボディ材のセンターラインに合わせ、ボディ外周とザグリ部の形状を木部に罫書きます。

テンプレート製作はコチラを参考に↓

ギター自作の準備 ボディ用テンプレート(冶具)の作り方
ギターなどの各用途のテンプレート製作では非常に重宝するので覚えておくと良いと思います。なおテンプレートの強度を求めるならアクリル板などを使用しますが、MDFのように加工性は良くないので後で寸法や細かい部分を修正する時などはしづらいです。型元になるギターの精度や寸法が間違っていると出来上がるテンプレートもそのまま間違った物ができてしまうの注意です!

 

ボディの外周を書き終えたらネックポケットの加工位置を決めます↓

僕の場合はボディのネックポケット部縦の長さは75mmに設定します。縦の位置を記したら分度器で横に線を引きます。

 

75mmの位置にネックエンドがくるようにネックポケットのテンプレートを両面テープで貼り付けます。

ネックポケットのテンプレートは製作記事はありません。前回のボディテンプレートの製作方法を参考にして下さい。

 

次にネックポケット部をある程度荒加工していきます↓

使用しているのはボール盤につけたフォスナービットです。フォスナービットはトリマーで加工する前の荒化工に何本か持っていると便利です。

 

フォスナービットで荒化工が終わったらトリマーでテンプレートに沿って加工していきます↓

トリマーはおなじみBOSCH PMR500を使用します。トリマービットはコロ付きの浅堀りビットを使用します。

ビット購入はコチラを参考にして下さい↓

ギター製作に役立つトリマービット各種と面取り30°のビット購入先
6mmと5mmは用途としてネックにトラスロッドの溝を掘るときに使います。ちなみに主に僕が使用しているトラスロッドの径は5mmです。3mmは主にフェンダー系のネック製作時にナット溝を掘るために使用します。バインディングの溝加工の場合もベアリング(コロ)付きビットを使用します。この時に「刃の径に対して小さいベアリングを意図的に付ける」必要があります。

 

 

トリマーで加工し終えるとネックポケットの完成です↓

今回深さは16.5mmに設定しています。

僕はネックポケットの加工から始めていますが人によってはボディ外周から始めても構いません。何度か製作を繰り返せば自分に合った製作方法が見つかっていくはずです。

 

次にボディ外周のカットをします↓

まずバンドソーでできる限りテンプレートの外周ギリギリにカットしていきます。

ギリギリにカットする理由は後でトリマーで加工する際、削る量を少なくしトリマーの負担をなくすのと、刃飛びなどのトラブルを避ける為です。

 

こちらはカットし終わった後です↓

 

次にトリマーでテンプレートに合わせて外周を加工していきます。

使用するトリマービットは2本です。刃の上にコロが付いてるタイプと刃の下にコロが付いているタイプです。両方とも刃長は25mmあります。

ちなみに普段はトリマーではなくルーターを使ってます。ルーター用の刃長約50mmのビットを使えば一回の加工で外周を仕上げられるからです。今回はあえてトリマーを使用して2回の加工で仕上げていきます。

ルータービットはオフコーポレーションの物を使用しています↓

KERV フラッシュトリムビット 12mm軸 刃長50.8mm

ルーターでの加工はテレキャスター自作シーズン2の記事を参考にして下さい。

テレキャスター自作シーズン2開始(1) ボディ製作
フロントピックアップはボディのテンプレートでは加工せず個別に「P90」用のテンプレートでザグリ加工をしています。今回のテレキャスターは予定では1ピックアップのエスクワイヤータイプを製作しようと思っているのですが、後で気が変わりフロントピックアップが増設できるようにP90用のザグリをいれておきました。(ザグリをP90用にしたのは通常のテレキャスターピックアップ、ストラト、P90の3種類が収まるサイズの為)

 

それではトリマーでの加工に入ります↓

まず刃の上にコロが付いているビットを使いボディの外周半分を削っていきます。

※この時には必ずボディをクランプなどで固定して下さい。またトリマーはボディにしっかり押し付けるようにして下さい。押し付けが甘いと木材が欠けたり仕上がりが悪くなります。

 

上の画像ではトリマー本体を動かして加工していますが、別の方法としてルーターテーブルがある人は下の画像のようにテーブル上でボディを動かして加工した方が安定してやり易いです。僕は普段は先ほどのルーターをテーブルに取り付け外周加工をしています。

 

ボディ半分を加工した後はボディを裏返し刃の下にコロが付いたビットに付け替えます。先ほど加工した部分にコロを合わせ残りの外周を加工していきます。

※ネックポケット部分は深さが違うので注意です。

 

2本のビットを使い外周の加工が終わった後の画像です↓

 

次に各ザグリ部を加工していきます。ネックポケットの加工時にも使用したフォスナービットを使いある程度の荒加工をしておきます。

 

各部ザグリの荒加工が終わったら2本のビットを使いトリマーで加工していきます。

最初は浅堀りビットを使い加工していきます。ピックアップなどのザグリは浅堀り用のみで深さは足りますがコントロール部は刃長が足りないので、長いビットに付け替え加工していきます。

 

加工し終えるとこんな感じになります↓

 

次はストリングブッシュ用の穴加工をしていきます。

ここの部分の穴あけの精度が悪いと穴の間隔がまばらだったり、直線が出ない場合があるので慎重に加工していきます。

僕の場合はあらかじめボディテンプレートへ均一に揃ったストリングブッシュ用のガイド穴をあけてあります。なのでテンプレートをボディ裏に貼り付けガイド穴に沿って穴あけ加工をしていきます。

均一に揃った穴あけを行う為のテンプレートを自分で製作するのは難しいという方は下記記事を参考にし業者に発注してみるのも良いと思います↓

ストリングブッシュ(裏通し)の穴をズレずに綺麗にあける治具
当サイトではテレキャスター等の裏通し用ストリングブッシュ穴を加工するのに下記の様な治具(テンプレート)を使用してきました。さて今回は一番最初の小型治具を金属加工業者に「鉄」で製作してもらうよう発注致しましたのでストリングブッシュ穴加工が苦手な方々へ情報をシェアしたいと思います。この治具が欲しい方は各自で下記サイト「きりいたドットコム」に見積もり&発注してみて下さい。

 

使用しているドリルは9.5mmです(ヴィンテージタイプのフェンダーは違う径を使用しているので注意です※8mmなど)。

サイズはコチラの物に合わせています↓

サウンドハウスの価格はコチラ

 

 

無事にきれいなストリングブッシュ穴があきました。

 

次に表側の穴をあけます。

こちらの穴はテンプレート無しであけていきます。裏側のストリングブッシュ穴もテンプレート無しで穴あけする場合は下の画像のように寸法を正確に記入し穴あけしましょう。

 

穴あけに使用するドリルは木工用(先三角)のドリル推奨です。鉄工用だと中心がずれる可能性がある為です。

サイズは下のドリルの4mmか4.5mm位がいいと思います。今回は4.5mmであけています。

この時に穴の深さはボディの半分ぐらいまであけます。裏側に貫通しないようにして下さい。貫通するまで掘り下げると裏側の木がめくれたり荒れたりするので。

 

無事にズレもほとんどなく穴をあけることができました。(ボディ半分の深さまで)

 

次に裏側のストリングブッシュ穴の中心に4.5mmの穴をあけ貫通させます。

 

次はネックのジョイント穴をあけていきます。

まず元となるネックプレートを用意します。プレートにはセンターラインを書いておきます。

ボディのセンターとプレートのセンターを合わせた状態で4個のビス穴をボディに罫書きます。

 

ビス穴を罫書いたら下の画像のように〇(まる)同士を縦の線でつなぎます。(〇の端を正確に)

 

縦につないだら次は横につなぎます。

 

縦横の線を引くと〇の周りが四角になると思います。この四角の角を対角線上に正確に線を引いていきます。対角線上に引いた線の交わってる部分が穴あけの中心部ですのでここに穴をあけていきます。

少し回りくどいやり方に思えますが専門学校で習った方法です。やるとやらないでは結果が結構変わります。

 

穴あけ時はドリルの先端(先三角)のみ表側に出るようボール盤で調整してあけます。(表側の木材のめくれ、荒れ防止の為)

使用しているドリルは4.5mmです。(ジョイントビスが4mm~4.2mmの場合)

 

そうするとこのように小さな穴が表側にでています。そこを穴あけし裏側と貫通させます。

 

貫通しました↓

 

次はボディ外周のR加工をします。テレキャスターは基本的に約3Rです。

画像のボーズ面は3.2mmの物を使用しています↓

 

無事に角が丸くなりました。弾いてるときにボディがろっ骨に当たって痛いという人は6Rぐらいにした方がいい思います。

 

次はフロントピックアップのザグリからネックポケットにつながる縦のザグリを掘ります。直線のでている木材を縦にボディに貼り付けそこをガイドにトリマーで加工します。

 

無事につながりました。

 

本日の作業は以上で終わりです。

次回はジャック部の穴あけ、配線穴、ブリッジの取り付け穴などをやっていく予定です。

ばんば

スポンサーリンク
スポンサーリンク