MDFは木材を繊維状に細かくしてボード状に成型した板です。
ギターなどの各用途におけるテンプレート製作では非常に重宝するので覚えておくと良いと思います。なおテンプレートの強度を求めるならアクリル板などを使用しますが、MDFのように加工性は良くないので後で寸法や細かい部分を修正する時などはMDFがおすすめ。
※MDFの厚みは5.5mmが推奨です。これよりも薄いとトリマーでの加工時にいろいろと無理がでてしまったり、反りなどが発生しやすい為です。
今回作るのはこういった物です↓(画像の物は僕が昔に製作したものです)
テンプレートは基本的にトリマーやルーターでボディを成型する時に使用します。トリマーなどの電動工具がない方でも製図の代わりにはなるので作っておいて損はないと思います。
今回のテンプレート製作はトリマーやバンドソーを使用しますが電動工具がない方は地道にノコギリや鉄やすりを駆使して仕上げましょう!
トリマーとビットはこちらを使用します↓
ビットは刃の下側にコロ(ベアリング)が付いたものを使用します。
購入場所がよくわからない方は下記を参照にして下さい↓
それではまず「型を取る為のギターボディ」を用意します。型元になるギターの精度や寸法が間違っていると出来上がるテンプレートもそのまま間違った物ができてしまうので注意が必要です。
※型元となるボディがない場合のテンプレート作りは下記記事で紹介しております。参考にしてみて下さい↓
用意したボディはMDF板の上にのせ外周を罫書いていきます。
※今回用意したのはフロントがP90のテレキャスターボディですがテンプレートはクラシックなテレキャスタースタイルで仕上げていきます。
このように罫書いたら次に線よりも少し1~2mm位大きめにカットしていきます↓
カットした後は型元のボディからピックアップやコントロール部分の位置を計測し大体の位置に印をつけます↓
次に印をつけた場所に穴を開けます。この穴のサイズはこの後に使用するトリマービットが無理なく入るサイズです。僕が使用するビットは9.5mmなので10mmの穴を開けていきます↓
穴を開け終わったらカットしたMDF板の裏に両面テープを数か所に貼り、型元のボディに貼り付けます。※加工中動かないようにしっかりと貼り付けて下さい。
この時に型元のボディがMDFからはみ出ないように貼って下さい。
画像では大体のセンターラインを書いて合わせていますが、なんとなく目で見て合わせられる人はこの段階でのセンターラインはなくてもいいです。
貼り付け終えたら下の画像のようにトリマーで加工していきます。この段階ではカットしたMDFの方が型元のボディよりも大きいはずです。
型元のボディにトリマービットのコロ部を押し当てながらなぞるようにトリマーで加工していく事で型元とまったく同じサイズに型抜くことができます。
※注意点としてジャック穴にトリマービットのコロ部がはまらない深さに設定して下さい。そうしないと型元のボディとMDFが間違った形に加工されてしまいます。ネックポケット部も同様です。ネックポケット部は必ず別に深さを設定してから加工して下さい。
下の画像ではビットが深くはいっていますが実際の加工時にはもっと浅めに設定して下さい(コロ部だけがあたる位の深さ)
こちらが型元に合わせて加工した後です。リアピックアップ部は説明する為にわざと残しています。他のザグリ部分は事前に空けておいた穴にトリマービットを入れ加工しています↓
こんな感じでトリマービットを穴に入れ円を描くようにちょっとずつ加工していきます。
もし全体のザグリ位置が正確に把握できているのなら穴あけ時の範囲を多くした方がトリマー加工も早く終わりますのでできそうな人はそうしてみるのもいいでしょう。
残りのリアピックアップ部を加工したら型元のボディからMDFを取り外します↓
最後に正確なセンターラインを書きます。センターの割り出しはフロントピックアップのザグリやブリッジ穴の位置を参考にします。(型元のボディの精度が良い事が大前提)
未塗装の2ピースボディの場合は大体木材の繋ぎ目が中心になっているのでその部分を計測してもいいと思います。(その際は念のためフロントザグリや弦穴の寸法も確認して下さい)
通常の使用であればここまでのを製作しておけばある程度十分かと思いますが、用途によってはストリングブッシュ位置のガイド穴や、ネックジョイント部分のガイド穴などを追加しても良いと思います。その他には各寸法の数値を記入しておくなど。
加工の際の失敗や怪我は自己責任でお願い致します。
ばんば