ほとんどのギターのネック内部には「トラスロッド」というネックを調整する為の鉄の棒が入っています。※ほんの一部ですがトラスロッドが入っていないギターもあります。
トラスロッド自体の説明は下記記事を参考にしてみて下さい↓
このトラスロッドを調整する部分には「ロッドナット」がついています。これはギターのタイプによって位置や形状が違います。
ギブソン系の場合はネックのヘッド側にトラスロッドカバーがありこのカバーを外せばロッドナットがあります。
下記画像のギターはトラスロッドの調整に「パイプレンチ」を使用します。この他にも六角レンチを使用するタイプもあります。
※パイプレンチはギターのメーカーによって合うサイズがあるので事前にナット側のサイズを確認しておいた方が良いです。使用するレンチが分からない場合はギターを購入したお店かメーカーに聞きましょう。
フェンダー系でヴィンテージタイプの場合はギブソン系とは逆でネックエンド側にロッドナットがあります。その為基本的にはネックをボディから外さないとトラスロッドの調整ができないのが少し難点です。
ただしフェンダー系でもモダンタイプならヘッド側にロッドナットがあるモデルが多いのでその場合はネックをボディから外さなくても調整可能です(モダンタイプの中にはエンド側にロッドナットがあってもネックを外さず調整可能なモデルもあります)。
下記画像のネックはエンド側に調整箇所があるタイプです。このネックの場合は六角レンチを使用してトラスロッドの調整を行います。この他にはドライバーで回すタイプ(十字溝のナット)もあります。
おすすめの六角レンチはこちらを参考にしてみて下さい↓
ここで紹介する方法が有効なのはフレットに波打ちや浮き、大きな凹みがない状態のネックに対してです。
まずネックの反りの種類には大きく分けて2つあります。(他にはねじれという症状もある)
それでは下記画像をご覧下さい。
7.8.9F(フレット)と記してあり8Fの所に赤丸があります。ここが調整するときのポイントになります。
まずはギターを構えた状態で6弦の1フレットと最終フレットを指で押さえます。(左手で1フレット、右手で最終フレット)やりづらい場合は1フレットはカポタストを使いましょう。
そのままの状態で8F頂点と弦との隙間を確認します(上記画像は1フレットと最終フレットを押さえている状態です)
今回は8フレットですが、一般的なのが7.8フレットのどちらかです。僕の場合はギブソン系は8フレット、フェンダー系は7フレットを見ています。(ネックのスケールによって見方を変えています)
隙間の意味↓
※この確認は通常6弦のみ見ればいいです。ただしネックのねじれを確認したい時は逆側の1弦も見てみましょう。ねじれがなければ隙間は6弦も1弦も同じくらいです。逆にねじれている場合は6弦と1弦で各隙間に大きく差が生じています。
下の画像がネック調整が完了した一般的なネックの状態です。
大体コピー用紙ぐらいの厚さの紙が1フレットと最終フレットを押さえたままの状態でちょうど入るぐらいの隙間がネックにとっていい状態です。
紙が入るぐらいの隙間があるという事はほんの少し順反りしているという事なのですが、これだとネックがまっすぐじゃないからダメなんじゃないかと思う方もいらっしゃるかと思います。
結論から言うとこれで大丈夫です。
多くのギターの場合ネックをまっすぐにしすぎてしまうと開放弦(0フレット)のビリつきが多くなってしまう事があります。それを回避するのにほんの少しだけ順反りをさせ開放弦のビリつきを低減させているのです。
下記は適正ではない反り方をしている場合に起こりうる不具合の一例です↓
最後に
説明した調整はあくまで一般的な方法です。イレギュラーな状態のギター(ヴィンテージや弦高調整が上手くいかない個体など)にはあえてネックの順ぞりを多めにもしくは逆ぞりを多めにしたりする場合があります。なのであくまで目安として調整をしてみて下さい。
ばんば