さてギターをやってる方で「ノイズ」を嫌がる人は結構いるかと思います。その一方で「ノイズも音楽」という言葉がある事は僕も理解しているつもりです。
今回は少しでもノイズを減らしたいという方におすすめの「導電塗料」を塗る方法についてご紹介致します。
導電塗料を塗る事によって減らせるノイズの種類は下記記事を参考にしてみて下さい。減らせるノイズが分かった上での作業が重要になってきます↓
まず用意してほしいのが下の画像の物です。
※別途導電塗料を塗るハケ(筆)をご用意下さい。
上記画像以外の製品でよく使われている導電塗料はコチラ↓
※導電塗料にはラッカー塗装向けとポリ塗装向けがあるので自分の楽器の塗装にあった物を選びましょう。分からない場合は「水性の導電塗料」を選んでおけば問題ないです。
準備ができたらコントロールキャビティ内に導電塗料をきれいに塗り込んでいきます。下記画像は塗る前↓
※導電塗料を塗る所以外はマスキングテープで保護しておきます。画像ではSonic製の水性導電塗料を使用しています(ギター自体はオールラッカー仕様)。
導電塗料を塗った後↓
ハケで2回程塗っています。
ボディの表側にキャビティ(ザグリ)があるギターの場合
まず上記画像の用に導電塗料を塗った面に対して「アースラグ」という金属のパーツをねじ止めします。ねじ止めをしたらそのアースラグの端子に配線材をハンダ付けしギター側のアースへ接続します。(この時アースラグ自体にも導電塗料を塗っておくとザグリ内塗料との密着性が上がります)
これで導電塗料を塗った面(ザグリ内)はシールド効果を発揮する事になります(ノイズが減る)。
※アースラグの取り付け位置は他のパーツの邪魔にならない場所でなおかつドライバーでアースラグのネジをしっかり回せる任意の位置。
上記は電気系統のパーツがピックガードマウントになっているストラトタイプでの説明になります。
これとは別にボディの裏側にキャビティがあるタイプのギター(ギブソン、etc)の場合は導電塗料を塗った面に直接電気系統のパーツ(POTやスイッチ)を取り付ける事になりますよね。
下記画像はギブソンのSGです。このギターは出荷時から導電塗料が塗られています(少し雑な塗り方ではあるがノイズ処理の効果は得られています)。
「ですがアースラグは取り付けられていません。」
このタイプのギターはアースラグを使用していない事が多いですがアースと導電塗料を塗った面は繋がっています。
なぜならパーツを取り付ける事で「アース処理された各電気系統パーツの金属部」が「導電塗料を塗った面」へ物理的に接触するからです(アースラグの代わりになってくれているという解釈)。
なので上記ギブソン出荷時の様にアースラグを使用せずに作業を終わってもよいですが処理としては若干不安が残ります。
導電塗料を自分で塗った方でよくある失敗が「逆にノイズがめちゃくちゃ増えた」というパターンです。
これは単純に導電塗料を塗った面がアースと繋がっていないからです(アースとの繋がりは上記で説明してきたとおりです。)
導電塗料面はノイズを集めます。それをアースに繋げる事で「ノイズをゴミ箱に捨てる」という感覚を持っていると良いと思います。逆を言えばアースに繋がっていない場合は「集めたノイズをゴミ箱に入れずずっと部屋に放置して貯めていくようなものです」。そうなれば当然導電塗料を塗る前よりもノイズは目立ちます。
導電塗料は正しい用法で。
ばんば