自分でやるオクターブ調整のやり方 新品弦での調整推奨です

ギターリペア&メンテナンス

 

今回はオクターブ調整

 

前回は弦高調整について紹介しました↓

ギターの弦高を数値で見る!自分でやる調整、一般的な弦高とは?
僕がいろいろな人のギターを調整&リペアしてきた経験上の答えとして弦高は「ギターの持ち主の演奏スタイル(ジャンルも含む)や弾き癖」などを考慮した上で決めるのがベストだと思っています。その結果として人によっては弦高が低めの方が向いてたり逆に高めの方が向いてる場合があります。※アコースティックギター、クラシックギターの弦高調整は基本的にサドルを削って行うので気軽にはできませんが一応目安の数値を記載しておきます。

まずはじめにオクターブ調整は基本的に一番最後に行う調整と覚えておきましょう(弦高、P.U高さ、ネック調整が完璧にできてから)。

 

「なぜ一番最後にオクターブ調整を行わないといけないのか?」

例えばオクターブを合わせた後に弦高調整を行うと弦の張力バランスが変わってしまいオクターブがずれる事があります(ネックの反りなどがある場合も同様にオクターブがずれます)。

 

ちなみにですがオクターブ調整を「面倒だから」と軽視する方がもしかしたらおられるかもしれませんが、オクターブ調整をしっかりと行わないとギター(ベース)本来の「響きの美しさ」や「音程感」が得られていない状態です。所有しているギターの良さを引き出したいのであればオクターブ調整をしないという選択肢はありません。

 

 

それではまず下の画像を見て下さい。(ストラトのブリッジを例としています)

 

 

まずチューナを用意し合わせたい弦の「12フレットのハーモニクス音」と「12フレットの実音(押弦した音)」を鳴らします。この2つの音のずれをできるだけなくすのがオクターブ調整です。調整する箇所は画像左下のビスです。下記が調整のやり方になります。

※ハーモニクス音(奏法)が分からない方はネットで検索して下さい。

 

実音の音程が高い場合ボディエンド側にサドルをよせるように調整します。
実音の音程が低い場合ネック側にサドルをよせるように調整します。

 

以上です。慣れてしまえば全然難しくないと思いませんか?

 

基本として押弦時の力加減は軽く押さえる程度にして下さい。理由は音程の狂いを最小限に抑えた状態でオクターブを合わせる為です。※強く押さえると音がシャープしてしまいますので注意。
ただし例外もあります。演奏時に元々強めに弦を押さえる「癖」がある人の場合はオクターブ調整時にも強めに(演奏時と同じ力加減で)弦を押さえた方が演奏時における音程の狂いの「差」が少なくなる事も有ります。※これは演奏時にシャープしてしまう分を事前に織り込んでおく調整方法です。

 

 

テレキャスターはオクターブが合いづらい?

 

これは昔からよく言われている事です。テレキャスターの「3連サドル」と呼ばれるタイプは構造上オクターブがキッチリとは合いづらいので気になる方はオクターブ補正された3連サドルもしくは6連サドルタイプへの交換を検討してみるのもいいでしょう。

オクターブ補正されたサドル↓

サウンドハウスの価格はコチラ

 

最後に

もし正確にオクターブを合わせたいのなら弦はなるべく新品の弦に交換し、しっかりと弦の伸びやたるみを取り除いてから調整を行って下さい。

また弦を正しい巻き方で巻くのも重要です。いまいち弦の巻き方に自身がない人はそこから覚えなおしましょう。

なるべくなら安価な弦は使わず「定評のあるメーカーの弦」を使いましょう。なぜなら安価な弦にはハズレがある場合があります。どんなにオクターブ調整をしても全く合う気配がなく途方に暮れるなんて事はよくある事(6~4の巻き弦が不良により合わない場合が多い)。

 

オクターブ調整におすすめなドライバーは下記記事を参考にしてみて下さい↓

オクターブ調整用にWERA(ヴェラ)のロングドライバーを購入
フェンダー系ギターのオクターブ調整に重宝するロングドライバー。僕が大好きなWera社のドライバーになります。さてここからが本題になりますが「なぜオクターブ調整にロングドライバー?」と思う方ももしかしたらいるかもしれません。理由は下記画像の通りです↓一般的な長さ(軸長100mmなど)のドライバーだと持ち手がボディに当たってしまい好ましくない角度でオクターブネジにアクセスする事になります。

ばんば

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