ボディの木地調整はサイド部は当て板などを使いながら手作業で磨いていきます。トップ&バックは以前紹介したランダムサンダーを使用していきます。
紹介記事はコチラ↓
木地調整時の紙やすりの番手はネックの時と同様に220番、320番、600番と順番に磨いていきます。(加工傷が深い場合は150番ぐらいから)
僕の場合は木地調整時にネックとボディのジョイントサイドを段差がないように仕上げています。
600番までの木地調整が終わったので次は塗装です。ネックポケットにはマスキングテープを貼って塗装がのらないようしています。
取っ手はネックジョイント用の穴を流用して2本のビスで取り付けしています。
塗装は専用のブースで行います。ブースといってもうちのは大した設備ではありません。
ブースの骨組みはホームセンターで売っている高さ1800mm、幅1200mm位のスチールラックを流用して作ったものです。(換気扇&ダクトを上部に取り付けています)
最初に吹き付ける塗料はウッドシーラーです。ウッドーシーラーはヤニ止めや塗料の吸い込み防止の為に吹き付けます。
僕はユニオンペイントのELウッドシーラーを使用しています↓
ウッドシーラーを吹き付けた後の画像です↓
前回木地調整が完了したネックも塗装しました。
吹き付ける目安としては木部が軽く濡れた色になるぐらいです。吹き付けすぎもダメですが逆に吹き付けが少なすぎると次に塗る塗料の密着性が悪かったりするので注意しましょう。
乾燥は1日位が目安。
ちなみに塗装をする時は使い捨てのポリエチレン手袋(パウダーなし)があると便利です。
特にネックを塗装する時は素手でグリップなどを持ってしまうと指紋がついて最悪それが跡になってしまう場合があるからです。
※乾燥の間隔を多めにとっている場合は素手でもできなくはないです(綺麗な手が前提)。
ウッドシーラーが乾燥すると吹き付けた部分にはザラつきがでますので紙やすりの600番程度で軽く撫でるようにザラつきをとっていきます。(ネック&ボディ両方)
※やりすぎ注意
ザラつきを取ったらサンディングシーラーを吹き付けていきます。
使用しているサンディングシーラーは玄々化学のLS-10を使用しています↓
ネック、ボディ共に4回吹いた画像↓
程よく塗膜ができており若干光を反射するようになっています。
さらに4回吹き合計8回行ったところでサンディングシーラ-の吹き付けは終了となります↓
上記画像とあまり変わり映えはしませんが塗膜の層は確実に厚くなっています。
乾燥後は塗面を研磨して滑らかになるよう整えていきます↓
ネックは全面手作業で研磨していきます。使用する紙やすりは320番と600番で仕上げていきます。
ボディはトップ、バック面はランダムサンダーの320番、600番で研磨。ボディサイドは手作業で320番、600番で研磨していきます。※トップ、バック面の600番からは手作業でやっています。
研磨時には紙やすりが塗料のカスで目詰まりするので定期的にヘラなどでこそぎ落としながら研磨するようにします。これを怠るといつまでたっても平面がでなかったり、余計な傷の原因になりますので注意。
研磨が終了したらボディの着色をしていきます。今回はブロンドカラーで着色していきます。(白のステインにイエローステインを数滴入れ調色)
着色前のボディ↓
着色後のボディ↓
着色完了後はクリヤーを吹き付けていきますが最初の数回は薄く塗料を吹いていきます。いきなり厚めにクリヤーを吹き付けると着色にムラができたりする「色流れ」が起きるので注意です。
業界では着色後に薄くクリヤーを吹くことを「色止め」と呼んだりもします。
色止めが終わったらクリヤーの本吹きをしていきます。画像の状態で3回吹いています。
※色止めはクリヤーの回数に含んでいません。
さらに重ねて計12回↓
画像では分かりづらいですがクリヤー層が厚くなっている事によりさらに光沢がでてきています。照明の反射が少し鮮明になってきているのが分かりますでしょうか?
これでボディの塗装は終了です。
ネックも同様にクリヤーを吹き付けます。
※ネックは着色をしていないのでサンディングシーラー層の研磨後すぐにクリヤーの本吹きを行えます。
下記画像でクリヤーはネック裏が4回吹付。ヘッドトップが9回吹付で完了。
※今回「ネック裏は艶消し仕様」「ヘッドトップ面は艶有り仕様」にするのでクリヤーの回数が違います。ネック裏はこの後に艶消し工程があります。
ネック裏の艶消し工程に入ります↓
紙やすりの600番程度で吹き付けたクリヤー層を軽く整えていきます。(全体の艶が均等になくなるぐらいです。)
600番で整えたあとです↓
下の画像の状態でも艶消しにはなっていますが紙やすりの研磨傷がよく見るとありますので仕上げに艶消し塗料を吹き付けます。
吹き付ける塗料はコチラを使っています↓
吹き付け回数の目安は1~2回です。注意点として艶消し塗料は「吹きっぱなし」での仕上げになりますのでチリやほこりの混入に注意します。
今回は全艶消しなので万が一多少の異物が入ったとしても目立ちにくいですが、半艶消しぐらいになってくるとシビアになってきます。
※吹き付け時は艶がでるように吹き付けます。そうしないと滑らかな塗面の艶消しにはなりません。数十秒から数分経つと艶はなくなりますのでご安心を。
艶消し塗料を吹き付けた後の画像はコチラ↓
ネック、ボディともにここから最低でも1週間以上は乾燥させてから塗面の研磨&バフ掛け作業に入ります。
ばんば