ギターの極薄塗装ってなに?ノンバフ?吹きっぱなし?正攻法の極薄塗装?

 

極薄塗装の種類

 

1.塗装作業で一部工程を省いたり、吹き付ける塗料の回数を減らす。

 

基本的な塗装工程自体は下記を参考に↓

ギター塗装時における吹き付け回数の目安(ラッカーの場合)
前回は塗装に挑戦する方向けの機材などをご紹介致しました。今回は塗料の吹き付け回数です。(スプレーガンを使用した場合の回数になります)下記の工程はギター塗装の基本となりますので省く事のないようお願い致します。一部工程を省いて流行りの極薄塗装にするのも良いと思いますが何事も基本は大事です。しっかり基本を身につけた後でチャレンジしてみて下さい。

 

これは例えば塗面を整える為に厚めの塗膜を形成する「サンディングシーラー」という塗装を省いて塗膜を厚くしないようにしたり、トップコート(クリヤ)を必要最低限の回数だけ吹き付け、通常は行う塗面の研磨&バフがけをしないで仕上げる方法です。

メーカーによって呼び方はいろいろありますが「ノンバフ仕上げ」とか「吹きっぱなし」とかが仕様に書いていたら上記のような仕上げという事です。

ただしこの場合見た目は人によっては雑な塗装に感じたり、逆にヴィンテージっぽく感じて好感をもつ人など感じ方は人それぞれです。

※全ての極薄塗装がサンディングシーラーを省いて塗装しているわけではありません。また塗面のザラつきをとる為に多少バフがけをする場合もあります。

 

販売されているギターでは「Vanzandt」が日本では極薄塗装として有名ですよね。

Vanzandtはおそらくサンディングシーラーは省かず比較的下地は整えていると思います。最終的にバフ掛けなしのトップコート吹き付けのみで仕上げているのではないでしょうか。その為塗面は少し塗装の粒子が残った感じが見てとれます。

ちなみにVanzandtの鳴りはとても良いと思います。僕も実際に楽器店勤務時代に何本も売ってきました。ただし音に関しては「極薄塗装だから」鳴りが良いと思わないで頂きたいというのが本音です。Vanzandtの音の本質はやはりネックの品質や組み込み技術に起因していると思います。

初期のVanzandtは今のような極薄塗装ではなかったですが鳴りは今と匹敵もしくは個体によっては今以上だと思っています。

 

2.基本的な塗装工程を省かず仕上げる極薄塗装

 

かなりの正攻法です。

正攻法ゆえに極薄塗装に仕上げるのは至難の業だと思います。このやり方の難しい点は仕上げるまでに何度も塗装が剥げる危険性があるという事です。

 

正攻法で極薄に仕上げるには基本工程を変えず、塗料の吹き付け回数を変えるぐらいだけでバフ研磨もしっかり行います。

吹き付け回数が少ないので塗膜は非常に薄く、そんな状況で塗面を研磨し整え、そのあとまた薄く塗料を吹き付け、また研磨の繰り返しです。この段階で少しでも塗装が剥げたら基本的には一からやり直しです。

この正攻法の極薄塗装がうまくいけば全体的に限りなく均一な塗面と、今後の経年による変化もバランス良くいってくれると思います。

※全体的に均一な塗面は弦振動の伝達にも大きく関わっていると僕は思います。導管などが深い木材(マホガニー、アッシュなど)を使用している楽器は特にです。

 

正攻法による極薄塗装の質感はコチラを参考に↓

ストラトキャスター自作の花道(23)ボディの水研~バフ掛け
今回の塗装はかなり薄い塗膜となっていますので紙やすりの2000番のみで軽く撫でるように塗面をならしていきます。下の画像ではバフ掛けをしなくてもいい位に艶がある様に見えますが、2枚目のボディに近づいた画像を見ると光の反射がボケているのが分かると思います。この艶のボケを水研とバフ掛けでできる限り取り除いていきます。※通常の塗装の場合一切の艶のボケは許されず、「鏡面」が基本です。今回は薄い塗膜の為「鏡面」まではできませんがなるべく近づけるようにします。

ばんば