まずバック板のブレーシング成形をします↓
ブレーシングの両端を豆反りガンナ、ノミ、丸棒(紙やすり)などを使用して曲線状に加工していきます↓
先端の厚みは約3mmにしています。この段階ではブレーシングがボディから少しはみ出た状態のままでOKです。
両端の加工が終わったら上面を丸めていきます↓
ブレーシングに中心線を引き、そこを頂点としミニカンナ(ホビーカンナ)やノミを使用して加工します。最後は紙やすりなどで仕上げます。
加工後↓
バック板のブレーシング成形と同様にトップ板も豆反り鉋やノミなどを使用してブレーシングの成形をします↓
トラスロッド用の穴をあけたブレーシングとXブレーシングのみ外周からはみ出た状態にしておきます。(先端の厚みは3mmです)
加工後↓
バック板のブレーシング成形と違うところは一部がスキャロップドブレーシング仕様だという事です。(画像の赤丸部参照)
一般的にはスキャロップドブレーシングにした場合は鳴りが良く感じたり、低音に豊かさがでたりと言われていますね。
画像では分かりづらいかもしれませんがほんの気持ちスキャロップの深さを浅くしています。理由は強度面の確保と硬質な音を失わない様にする為です。というのも専門学生の時にスキャロップを深くしすぎて輪郭がぼやけた音になってしまった苦い経験があるからです。
ブレーシングの成形が終わったらXブレーシングの組木部分にボンドを塗りガーゼで覆います↓
この作業はXブレーシングの組木部が経年変化で外れてしまうのを防ぐ為です。
次はサイド板の加工を行います↓
左右のサイド板を重ねてみて丁度良い長さの所にラインを引きます。(画像では型枠から出していますが位置決め時は型枠内にピッタリと収めた状態で行います)
書いたラインを目安にカット↓
仕上げはちょっとずつ当て板(紙やすり)で削っていき隙間がないようにします↓
サイド板の長さを揃えた後はネック側とエンド側のブロックを作っていきます↓
素材はマホガニーの端材を使用していきます。
加工はバンドソー、ベルトディスクサンダーなどで行っています↓
以下が加工後のブロックです↓
左側がネックブロック(L字型を採用しています)。右側がエンドブロックとなります。
※木取り(木目の方向)はサイド板の木目の方向に合わせます(横方向)。ただしL字のトップ板側のブロックのみ縦方向に木取りします(トップ板の木目と同じ方向)。
ネックブロックはL字型なので先に接着を行います↓
ちなみにL字ブロックはトップ板の下記の位置に収まるように製作しています↓
次にエンドブロックの接着面側を加工します↓
マーチン系のギターの場合はエンド側が若干ですが曲線形状になっているのでブロック側も同様に曲線状に加工します。(ネックブロック側も僅かに曲線になっている場合もありますが今回は直線のままで良いように型枠の段階から設計していますので曲線加工は行いません)
まずは大まかに曲線の形状を罫書いておきます(ボディテンプレートや型枠などから写す)
ざっくりとベルトディスクサンダーで加工します↓
※やりすぎに注意。
ある程度加工したら型枠に紙やすりを貼ってブロックとすり合わせながら仕上げます↓
上記の方法でやりづらい場合は当て板を製作してみるのも良いかもしれません↓
型枠のエンド部をトリマーでトリミングして当て板を作ります。
作った当て板に紙やすりを貼り、エンドブロックを動かないように固定して上からすり合わせながら削っていきます。イメージとしては指板のR加工とほぼ同じです↓
各ブロックが接着面と隙間がないように加工出来たらサイド板に接着をします↓
ブロックの接着は内側をつっぱった状態で行いサイド板のねじれがないのが理想です。
サイド板が型枠からはみ出しているエンド部にはブロック加工時に作った当て板をそのまま接着時にも利用しています。
今回はここまで
ばんば