前回は指板の接着までやりました。
まずははみ出た指板のサイド部分を削っていきます↓
今回はトリマーでネック側サイドに合わせて加工していきます。注意点として削る厚みが多すぎる場合にフレット溝付近の木が欠け飛ぶ恐れがあります。その場合はあらかじめ少し指板サイドを削っておくといいでしょう↓
手作業でやる場合は豆平鉋や鉄やすりなどで削っていきます↓
ピッタリに加工できました↓
この時にネックサイドの直線が出ていない場合は調整しておきます↓
次は指板にRをつけていきます。使用するのはRがついた指板用のサンディングブロックです↓
サンディングブロックには紙やすりの150番をつけています↓
今回は9.5インチのアールを指板につけていきます。
9.5インチのR加工が終わった後の画像です↓
Rが整っているかの確認には専用のRゲージを必要です。画像と同じタイプはコチラ↓
日本で手に入り易いゲージはコチラ↓
R加工の時にはある程度指板の直線を整えておきます。最終的な直線はポジションマークを埋めた後に仕上げます↓
次はポジションマークを埋める為の穴あけを行います。一般的なポジションマークの大きさは6mmか6.5mmです。海外のギターは6.35mmをよく使っています。
今回自作しているギターは6.5mmを使用していきます。
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穴あけはボール盤で行い、深さは1.5mm~1.9mm位を目安にあけていきます。画像の用にドリルに深さの目安としてマスキングテープを貼ると良いです。
※穴あけ時には正確な直線を指板上に罫書き、穴あけにずれが出ないように気を付けましょう。ずれると非常にかっこ悪くて気になってしまいます。(個人的に)
穴あけが終わりました↓
次にサイドのポジションマーク用の穴をあけていきます。ここも各ポジションマークとの直線がずれないように線を罫書いていきましょう。
ネックはL字のブロックに固定しボール盤で垂直に穴あけしていくと良いです。ハンドドリルでもできなくもないですがズレが生じやすいので注意です。(L字ブロックはホームセンターの2×4材を組み合わせて作っています)
サイドポジションマークは2mmを使用していきますので穴もそれに合わせ2mmです↓
指板上部とサイドの穴があいたのでポジションマークを埋めました。しっかりと綺麗な穴が開いていれば接着はアロンアルファ系の物でいいです↓
※ポジションマークをはめた時に隙間が多い場合はエポキシ系接着剤にローズの削り粉を混ぜて接着。
はみ出た部分は鉄やすりなどで大まかに削っていきます↓
※指板を傷つけないように注意
次はポジションマークの上部形状を指板のRにあわせる為サンディングブロックで削っていきます。この時に指板の最終的な直線も同時に仕上げていきます。
紙やすりの番手は150番、240番、320番の順に使用して指板を仕上げていきます。(600番までやることもあります)↓
指板の直線、ポジションマークの形状、ともに仕上がりました↓
次はフレットを打っていきます。
フレットはStewmacの#155を使っていきます。このフレットの幅はヴィンテージ系同様狭めですが高さは現代的なミディアムハイ位あり個人的に気に入っているフレットです。
ちなみに棒状での購入なので切り分けて売っている物よりも量が多く、価格が抑えられています。
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今回使用するフレットは棒状なのでフレット自体にRがついていません。その為、専用のフレットベンダーを使ってRをつけていきます。
※この時のRは指板のRより少しきつめにつけておきます。
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フレットベンダーを使うとこのように均一にRがつけられます↓
手作業でRをつける場合は画像の用にフレットの下部をエンドニッパーなどで軽く挟み、指で少しづつフレットに力を加え曲げていきます。※画像では撮影の都合上片手でやっていますが両手で作業して下さい。
棒状で購入したフレットはRをつけた後に各フレット位置の長さに合わせて切り分けていきます。(少し長めに切る)
切る際は頑丈なエンドニッパー(喰いきり)をお使い下さい。
ちなみにエンドニッパーは画像の一番上がStewmac製、中央がKEIBA製、下が専門学校の支給品。個人的に一番力がいらなくて切断しやすいのはStewMac製です。入手性の良さでいえばKEIBA製もそこそこ良いです。一番下の様な全長が短いタイプは力が入れづらい為あまりおすすめはしません。
HoscoからStewMac製の物と同等のフレット専用ニッパー(ステンレスフレットは非対応)も販売されていますので工具の個人輸入が苦手な方はこちらを選んでみてはいかがでしょうか↓
それではフレットを打っていきます。今回はフレットプレスを使用していきますがハンマーで手作業で叩き入れていく場合はまず両サイドを軽く「トントン」と叩いて指板に固定していきます。
両サイドを固定したら画像の矢印のように中央から各サイドに向かってハンマーをずらしながら叩き入れていきます。(叩き入れる時は上から下へ垂直に叩き入れます。一箇所叩き入れたら打つ箇所をずらしながらまた垂直に叩きいれます)
※フレットに指板よりきつめのRをつけたのは打ち込む時に両サイドの食いつきをよくする為と、浮き防止の為です。
フレットプレスの場合はこんな感じです↓
ボール盤にプレス器具を取り付けてフレットを圧入していきます。
※本来ボール盤はプレス機として使用するものではありません。テーブルや支柱周りの耐久性が弱い物だと圧入時にボール盤本体が破損する恐れがあるのでこの方法を試す場合は自己責任でお願い致します。
各フレットが打ち終わりました↓
サイドからはみ出た部分はエンドニッパーで切断します。
エンドニッパーで切断した後は鉄やすりなどできれいに仕上げます↓
指板に対してフレットサイドがピッタリに仕上がりました↓
今回はここまで。
ばんば