万人が納得する正解はないと思いますが一般的には軽い方が生鳴りが良かったり体への負担が少ない事がある為「好まれる傾向」にあると思います。
まずはじめに僕がギターの重量を計測する時に使用している「はかり」を紹介↓
上記のタイプは楽器店でも使用しているのをたまに見ます。
この機種は計測メーカーの製品なので精度に関しては申し分ないです。ただし重量の最小計測が0.005kg(5g)となっていますので1g単位で計測したい場合はAmazonなどで「デジタル はかり」で検索し対応しているはかりを探してみて下さい。
1g単位で細かく軽量できるはかりでも精度が悪い物を選んでは意味がないのでそれなりに信頼できるメーカーをお選び下さい。(極端に言えば本当は100gなのに精度が悪く95gと表記される物など)
下記数値は僕の経験に基づいた一部モデルの重量目安です。
※各ギターの「普通」な重量は「軽め」の最大値よりもちょっと重い位の数値だと思って下さい。
※レスポールはボディのチェンバー加工(空洞加工)がされていないモデル、PRSはダブルカッタウェイモデルを想定。
モデル | 軽い | 軽め | 重い |
---|---|---|---|
ストラト&テレ | 3.0kg以下 | 3.1~3.4kg | 3.8kg以上 |
レスポール | 3.9kg以下 | 4.0~4.2kg | 4.5kg以上 |
SG | 2.8kg以下 | 2.9~3.2kg | 3.6kg以上 |
ES335 | 3.0kg以下 | 3.1~3.5kg | 3.8kg以上 |
PRS | 3.2kg以下 | 3.3~3.6kg | 4.0kg以上 |
アコギ全般 | 1.8kg以下 | 1.9~2.0kg | 2.4kg以上 |
他にも様々なモデルがありますがエレキギターであればおおむね「3.5kg」あたりを基準に僕は重量の判断をしています(フロイドローズ搭載ギターや厚いメイプルトップのギターは除く)。上記には記載していないですが例えばギブソンのレスポールスペシャルが「3.4kg」位だったら「比較的軽い個体」と判断しています。
アコギの重量に関しては下記も少しは参考になるかと思います。実際に僕が所有するアコギの重量なども測ってみたりしています↓
ギターでよく使用される木材には種類により重量差(比重の違い)があります。
フェンダーなどがよく使用している「スワンプアッシュ」や「アルダー」は楽器に使用される木材全体から見れば重量は比較的軽い部類に入ります(もちろん個体差はあるので重い物も存在します)。
ギブソンがよく使用している「マホガニー」は厳選すれば軽い物もありますが「スワンプアッシュ」や「アルダー」に比べたら比重が大きく平均的な重量としては重い物が多いです。またレスポールのトップ材に使用される「メイプル」はマホガニーよりもさらに重い部類です。レスポールが他のギターと比べ重い要因は「マホガニー&メイプルボディ」にあったりします。(もちろん全体のボディ厚も関係してます)
他にも重い木材でウォルナットやローズウッドをボディに使用したギターがあります。このタイプのギターはおおむね4kg以下の物に出会えれば重さ的にはまずまずといったところでしょう。(ストラトキャスター、テレキャスターなどの場合)
この場合は演奏者の音の好みが低音重視だったり、音のアタック感が強めな方が好きっていう人が選ぶ傾向にあります。ハイゲインサウンドでミュートゴリゴリが好きな人は結構しっくりくるんではないでしょうか?
他にはSGやファイヤーバードなどのボディが薄いタイプを検討している人で「ヘッド落ち」を少しでも軽減したい場合は重めの物を選ぶと良いかもしれません。
この記事を読んでいる方の中には自分でボディやネックを調達してギターを組むという方もいるかもしれません(フェンダ―スタイルのボディやネックは日本でも結構流通していますしね)。
下記は僕がテレキャスターを製作時にボディの重量を計測した記事です。組み上げ時の大体の重量目安にはなるかと思います。またヤフオクなどでボディのみを購入する際などに重い個体を避ける為の参考数値として活用して頂ければ幸いです↓
ちなみにストラトを作る場合は僕の経験上ではテレキャスターボディの重量よりも「200~300g」軽いボディを選んでおいた方が良いと思います。理由はトレモロユニットやパーツ数などの違いから組み上げ時にはボディが重くなる為です。例えばテレキャスターボディの理想重量が1.9kgと仮定した場合ストラトボディは1.6~1.7kg位が手に入れば理想でしょう。
数年前までは楽器通販サイト「デジマート」や「j-guitar」を覗いても各ギターの重量はあまり表記がされていませんでした。
現在ではどうか?
「重量表記の重要性」に対しての認識が広まりつつあるかどうかは定かではありませんが重量をしっかりと計測し販売ページに記載している楽器店が記事を書いた当時より増えてきています。
この変化はとても大事な事です。
重量は「木目が綺麗」、「色がカッコイイ」、「ピックアップが○○」などの要素と同じくらいギター選びには重要なファクターだと常々思っています。
それを楽器を販売する側と購入する側で共有できていればお互いに気持ちの良い取引ができるのではないでしょうか。
ばんば