おそらく第三者側から見れば専門学校を卒業しているのだから「ギターを作れて当たり前」ぐらいに思っている方がほとんどだと思います。
しかしすべてのジャンルの専門学校でも言える事ですが、専門学校を卒業しているからと言ってその人が専門性に長ける知識や、充分な技術力があるとは限りません。
自分も含めてですが卒業生で「しっかりとしたギター製作」が出来ている人は中々多くはありません。ただし一握りですが若いながらギター製作の精度や独創性に優れた人もいます。
以前の記事でも述べましたがギター製作に重要なのは技術や知識はもちろんの事、「製作に適している環境や工具などの設備」がある程度必要になってきます。
専門学校卒業後にギター製作以外の仕事(楽器店、メーカーの営業、その他etc)に就いた人はギター製作に適した環境、設備を自分自身で確保できなければ、「その先の人生でギター製作をする機会はかなり少ないと思います」。
当然ながらギター製作業(雇用)に就いた方は自分で環境や設備を用意しなくても「仕事」としてギター製作に携わる事となります。
もしギター製作業以外の仕事をする場合上記の努力ができるか、できないかでギター製作人生が大きく左右されると僕は思っています。
できると思った人は最終的には冒頭で述べた「ギターを作れて当たり前な人」になれる可能性があると思います。
ちなみに僕の同期の半分以上が専門学校卒業後以降「ギターを製作していない」人ばかりです。
決してギターを製作していない人を否定しているわけではありません。
各々専門学校で習ったギター製作という過程を経て多くの分野で活躍しています。例えばリペアなどでは製作技術とはまた違った経験などが必要となりますので「ギター製作ができない=ギターリぺアが下手」という事にはなりづらく、「ギターリペアマン」という分野で輝く人も多くいます。
「製作環境さえあればいつでもギターなんか作れるし」
これは僕自身が常に思っていたし、実際に楽器店勤務時に先輩や後輩に言っていました。過去に戻れるなら訂正したいくらいです。
のちに僕は自宅で徐々に製作環境を作ったり、工具や機械を揃え始めてギターを製作しようとしたのですが「あれっ、ギターってどうやって作るんだっけ」っていう初歩的な事からつまずきましたが、徐々に思い出しながら作業を進めたり、自宅での製作に適した方法を探したりしながらなんとかギター製作を進めていきました。
ですが結果出来上がった物は「ギターのような物」というのがお似合いの低レベルなギターでした。別の言い方をすれば「とてもじゃないが商品にはできないレベル」。
ギター製作をしている人やこれからしたい人なら分かると思いますが「あの有名ブランドのギターと同等もしくはそれ以上のレベルのギター」を製作したいと思うはずです。
それができなかったと分かった時に「自分は専門学校でなにをやっていたんだろう」と思ったわけですが、今は自宅でギターが製作できるようになってから数年経ちます。ある程度のレベルのギターは製作できていると個人的には思っています。
「継続は力なり」
最後に
僕は製作環境を整え始めるのが少し遅かったかもしれません。趣味、仕事問わず将来的にギター製作をし続けたい人はなるべく専門学校在学中もしくは卒業後早めに環境や、工具、機械を揃える事をおすすめします(専門生に向けての話)。
ばんば