前回の作業から今回の完成までの作業をサクッと説明していきます↓
ボディにネックを組み込みブリッジを固定し弦を張ります。
トレモロのスプリングは直線3本掛けにしました。
次に各弦同士の間隔を決め専用のヤスリでナットに溝を切っていきます(僕の場合は等間隔で約7mm)↓
溝切り後は上面の余分な部分とナット全体の形をヤスリなどで整えれば完了です↓
ナット加工完了後にストリングガイドを取り付けました(モダンタイプ)↓
ここで前回の作業の一部変更を記載しておきます↓
前回にリアハムバッカー専用の「ローカットトーン」を実装しましたが今回音を出してみた結果微妙なサウンドでした。なのでリアハムバッカー用のローカットトーンは外し、この部分はフロントピックアップの出力をミックスするバランサーにしました。これはリアピックアップが選択されている時のみにフロントのサウンドを並列でミックスできます(トーン目盛りが10でリアのみ、0に近づくにつれフロントサウンドをミックス。)。
そんなこんなで弦高やオクターブなどの全体調整を追い込んで完成となりました↓
このストラトはネックを外さなくても指板エンド側でトラスロッドが調整出来る様に加工しましたので面倒臭がり屋の僕には打ってつけの仕様です。
撮影していて思ったのですがバックプレートは弦交換がしやすいモダンタイプの物にした方が全体の統一感はあったかもしれませんね。僕の詰めの甘さがここにでています。
指板の色味はまずまずでしょう。
ネックのメイプルは柾目(アイモク2A)です。画像ではほぼ柾目に見えますが完全柾目ではなく5~6弦付近が板目になっています。
他のギター自作の時にもよく注意するようにしているのが「弦落ち」です。フレットサイドの角の処理具合やナット溝の弦間隔、後はブリッジの仕様(弦ピッチ)などいくつかの要素を考慮しつつ作っています。
下記画像ぐらい両サイドに余裕があればよっぽどラフなプレイをしない限りは弦落ちはしないと思います。
このブリッジ(Gotoh 510T)は10.8mmの弦ピッチです。それに対してリアピックアップのハムバッカーはいわゆるフェンダーピッチ(ダンカンのトレムバッカー、ディマジオのFスペース、Suhrの53mm仕様など)で製作しましたので弦の通りもポールピース内に上手く収まってくれています(ポールピースの上を弦が絶対に通らないと許せない人間ではないです。ちょっとした気持ちの問題)。
このギターの重量ですが3.41kgでした。残念ながら3.3kg台はいきませんでしたね。木材が届いた時はもしかしたら「3.3kg台もいけるかも」と言いましたがあと一歩届きませんでした。
まぁ重くはないので良しとしましょう。
一般的な重量基準は下記を参考に↓
このギターの材料費(確定版)↓
※こちらのリストのピックガード、フレット、配線材、塗料、その他部材類などは使う分だけを費用として計上しています。(塗料はほとんど16Lもしくは4Lの価格に対して算出しています。)
※パーツ購入時の送料は含まれておりません。
※ピックアップの材料購入先のA.E.Sは「Antique Electronic Supply」の略です。
今回の作業動画はコチラ↓
このギターの音は良くも悪くもSSHのストラトだなと感じさせてくれるものだと思います。悪い意味ではやはりシングルとハムバッカーには音のキャラクターにギャップがあり全体の統一感が失われる印象です。逆を言えば音のギャップがある事で幅広いジャンルに対応できると言えばそうなのかもしれません(短所が長所、逆もしかり)。
上記の事は作る前から当然把握しているので全然問題はないです。それよりも気を付けた事は各ピックアップの出力バランスです。結果としてピックアップの高さなども各ピックアップ同士標準内の高さでバランスが取れているかと思います。
ローカットトーンから変更したフロントミックス回路(並列)は中々良好です。使用場面は主にクリーンサウンドが個人的には有効。ハムバッカーにフロントシングルをミックスするとハムバッカー特有の膨らみを少し抑えられるのでサウンドのバリエーションとして備えておくと便利かと。
さて今回のギターではいつものブログでの配信とプラスして動画という形でも作業工程を報告してみましたが良い意味で緊張感がありました。
一応次回の自作シリーズも動画付きで配信していきたいと思っています。
以上でSSHのストラト自作の花道は終了となります。
ばんば