(10) フェンダーライクなP90を作る(アルニコロッド)

レスポールスペシャル(DC)自作ピックアップ自作

 

P90製作

 

まず初めに今回製作するのは「P90であってP90ではない」仕様のピックアップです。

というのも構造が通常のP90とは違うピックアップキットを使用しています。詳しくは過去の記事を参考にして下さい↓

Tone Kraftにアルニコポールピース仕様のP90自作キットが登場
アルニコポールピース仕様でFenderサウンドに近くなるか?本来のP90はアジャスターポールピースの周りに板状のバーマグネットを配置する事でピックアップとしての役割を果たす事ができる構造となっています。新しくTone Kraftに登場したP90自作キット(型番はA90)を見てみましょう↓このピックアップの構造は端的に言ってしまえばほぼフェンダースタイルのピックアップと同じです

 

ご覧の様にこのピックアップキットはポールピース自体が磁力を持つロッド(アルニコ)になっています(フェンダー系ピックアップと同じ)。

ボビン自体の素材はバルカナイズドファイバーです。主にヴィンテージスタイルのP90だとファイバー系ではなくプラスチックの場合が多いですね。

 

では早速ピックアップボビンにワイヤーを巻いていきます↓

 

ワイヤーを巻き付け後↓

巻き付け回数はフロントが8100ターン、リアは8500ターンにしました(各ピックアップは互いに対して逆巻き仕様にしています)。

本家P90は10000ターンほどあり太いサウンドが魅力ではありますが今回はフェンダーサウンド寄りのP90になったら良いなという願いを込めてターン数を少なくしました。

繊細なサウンドを豪快なサウンドにするのはアンプやエフェクターなどのパワーを借りればいくらでもできますが、逆に豪快なサウンドを繊細なサウンドにするのは中々困難だと僕は感じています。なのでこのP90はどちらかというと繊細寄りのサウンドにしたいわけです。

 

ワイヤー巻き付け後は配線材をハンダ付け↓

配線材はボビン裏の穴からくぐらせて内側で固定しています。こうする事で配線材を不用意に引っ張ってしまっても断線しづらくなっています。※穴は事前に自分であけています。

 

次はポッティング(ロウ漬け)↓

ロウを溶かし入れた真空容器内にピックアップを入れ一気にロウを浸透させます。

※真空容器は水を張った小鍋で湯煎しながら温めています。小鍋自体はIHヒーターで加熱しています。

ポッティングに使用している道具や材料は以前の下記記事を参考にしてみて下さい。

(8)テレキャスター用P.Uを手巻きで作る(ハンドワイヤリング)
まずはリアピックアップを巻いていきます。ピックアップボビンとワイヤー(ヘヴィフォームバー)はTONE KRAFTの物を使用します。ターン数は8300で巻き上げています。このターン数で直流抵抗値は6.7K前後です。※ターン数は同じでもワイヤーの太さや巻き付け時のテンションによって直流抵抗値は前後しますので参考程度にして下さい。フロントピックアップも同じ要領で巻いています。 使用しているワイヤーはTONE KRAFTのプレーンエナメルを使用しています。 ターン数は8000ぐらいで直流抵抗値は6.4k前後です。

 

ポッティングが完了したら着磁↓

着磁はネオジウム磁石をバイス(万力)の両端に固定しその間を数回ピックアップを通過させる事でできます。

フロントとリアはミックス時にノイズキャンセルさせたいので互いに対して逆の磁極で着磁しています(フロントはN極が上、リアはS極が上。もちろん逆のパターンでもノイズキャンセル効果は得られます)。

 

最後にピックアップカバーを被せて完成↓

抵抗値はフロントが6.2k前後、リアが6.6k前後です。

今回の作業動画はコチラ↓


ばんば

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